市川猿紫

作品解説

「唄舞浦島噺」

皆様ご存じの昔話の「浦島太郎」に題材を取り、今回は演者と演奏者との掛け合いをテーマに物語を進めてまいります。 舞踊と台詞と演奏の融合。お馴染みのストーリーを今回どの様に皆様にご覧いただくかどうぞお楽しみ下さい。

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「助六」

天保十年(1839年)三月江戸中村座で四世中村歌右衛門の「花翫暦色所八景」の変化舞踊一つとして初演
作詞三世桜田治助。作曲十世杵屋六左衛門。
江戸随一の色男と言えば「助六」です。曽我の敵討ちの趣向を取り入れ、伊達男の色気と粋といなせを唄っています。 桜舞い散る夜の吉原に、その桜吹雪をよける心で傘を差して登する助六の姿が浮かんできます。
今回はその「助六」を長唄演奏でお聞きいただきます。。

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「藤娘」

文政九年(1826年)九月江戸中村座で二世関三十郎の「歌へすがえす名残の大津絵」の変化舞踊の一つとして初演。
歌詞勝井源八。作曲四世杵屋六三郎。
大津絵の「藤娘」に題材を得て、華やかさの中に娘心の可愛らしを表現した作品。 近年は六代目尾上菊五郎の「藤の精」として勤める新演出が多いですが、今回ほ古風に大津絵の「藤娘」としての上演となります。

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「都風流」

昭和二十二年(1947年)六月一日帝国劇場にて長唄・研精会の第四百回記念の新曲として発表。
作詞久保田万太郎。作曲四世吉住小三郎・二世稀音屋浄勧。
浅草を中心にその周辺の風物を季節の移り変わりと共に詠みんでおり、さっぱりと粋で品の良い作品。
その「都風流」を長唄演奏でお聞きいただきます。

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「賎機帯」

文政十一年(1826年)六月山王祭の踊屋台で発表。
作詞不詳。作曲十世杵六左衛門。
物語は謡曲「隅田川」の、我が子を失い隅田川をさまよい歩く班女に船長が絡むもので、 そこに、これもまた我が子を失った母の物語の謡曲「桜川」の桜の花びらを掬う趣向を取り入れた作品。 我が子を失い狂乱となる母の哀れさの中にも、長唄舞踊らしい華やかさがある作品です。

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